安ギターに使われるバスウッド材は本当に悪いのか?
バスウッド材がよく使用される楽器について・・・のお話です。
よくある「バスウッドだからダメ」なんてのは、ただの先入観かもしれません。
高価なギターほど、きっちりセッティングがされてあります。そこそこ良い音が出て当然なんです。
安い楽器 ⇒ 当然セッティングが甘い ⇒ 鳴りが悪い
これって「バスウッドが悪い理由にはならない」と思いませんか?
個人的にはバランスよく広域が出てほしい多弦ベースなんかには、バスウッド材はかなり向いているんじゃないかと思います。
アッシュだとゴリゴリになりすぎる、低音が強すぎて埋もれる、音が硬くギラつきすぎる。出すぎる低音が邪魔で、音域を削るとおかしくなる。
アルダーだと中音域が出過ぎてスッキリ聞こえない。
何かと不満を感じるようであれば、「バスウッドの楽器をあえて使ってみる」・・・というのを、選択肢のひとつとして加えてみてはいかがでしょうか。
そもそもバスウッド材とは?
木材が悪いからバスウッドは安い、と直感的に感じてしまいますが、安いギターやベースに使用されるのにはちゃんとした理由があります。
- 木材の入手のしやすさ
- 木材の加工のしやすさ
https://www.digimart.net/magazine/article/2016072902121.html
もともとはアルダーの代用材として用いられた背景があり、カタログには「アルダー」って書いてあったのに塗装を剥がしてみたら実はバスウッドだった、なんてことが昔はよくありました。アッシュ、アルダーの2強と比較するとトーンウッドとしては癖があり、その人気では1段劣るため、現在でも入手困難な印象はありません。
加工がしやすいメリットは、傷がつきやすいというデメリットでもあります。
柔らかいがために楽器に利用される際は分厚いポリ塗装で仕上げられ、結果的に鳴りが悪い楽器になってしまっているのではないでしょうか。
下記の記事では、バスウッド材の音の鳴りを阻害させる分厚いポリ塗装を剥ぎ、極薄ラッカー塗装をした記事となっています。音の変化が気になる方は是非ご覧ください!
オールマイティに使えるのがバスウッドギター&ベースの良さ
バスウッドの特徴のなさは、人によっては物足りなさを感じるかもしれませんが、個性がないという事は、何者にでもなれるという言葉の裏返しでもあります。
100%の特化型にはなれませんが、まんべんなく50%のオールマイティーさを兼ね備えているのです。
エフェクターやアンプで、好きなように音作りがしやすいのはかなりの強みなので、歪み系のベースサウンドを駆使するTHE MAD CAPSULE MARKETSのベーシストTAKESHI UEDA氏のシグネチャー・ドンズバモデルはバスウッド材が使用されていた模様です。
それに加え、ハマ・オカモト氏プロデュースのベースもバスウッド材が使用されていたかと思われます。
バスウッド ギター&ベースの特徴
以上の参考動画を見ていただければ分かる通り、バスウッドは無個性とよく言われますが、柔らかく明るい音色というのが見えてきますね。
以上、ご紹介した2人のシグネチャーモデルに共通するポイントは、バスウッドのプレシジョンベースならば、プレベらしいアクの強さがなく、音楽のジャンル関係なくオールマイティに使用できるサウンドに仕上がっているように思えます。
木材別(アルダー・アッシュ・バスウッド)の特徴を知りたい方は、下記の記事を見ると分かりやすいです。
まとめ
最終的な判断は、「実際に弾いてみて自分がどう思うか」その直感を大事にすることが重要になってきます。
他人がどれだけバスウッド材が使われた安いギターを非難しようが、まったくもってどうでもいい話なんです。
学歴を気にしてる人間だけが、他人の学歴を気にするように、こだわってる人間にしか共感されません。
はたしてそれは、人の心をゆさぶるメロディを奏でるのに必要なものでしょうか。
先入観など持たず、自分の気持ちを高めてくれる楽器を見つけること。
それが1番大事な気がします。